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総合型選抜、学校推薦型選抜|大学入試の特徴と対策の考え方

大学の校舎

大学入試における「総合型選抜」および「学校推薦型選抜」の特徴と、対策の考え方を解説します。

旧来のテスト中心の入試である「一般選抜(一般入試)」とは異なり、将来のキャリアイメージが問われる入試形態です。

これまでは、塾に通って偏差値を上げることこそが大学受験でしたが、保護者も受験生も、根本的な発想の転換を求められます。

うまく活用できれば、大学卒業後の将来に直結しやすいメリットがあり、受験者の人生を考える上では非常に魅力的な選抜方式です。

目次

テスト中心の入試が5割を切る、現代の大学入試

一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜の入学者割合(令和5年度 文部科学省発表)

一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜による大学入学者の割合の推移グラフ(2013〜2023年度)
作成:一般社団法人リアルエクスペリエンス 出典:入学者選抜実施状況(文部科学省)※グラフは転載可。ハイパーリンク(当ページURL)の併記をお願いいたします

令和5年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」によると、各選抜方式の割合は、次の通りです。

  • 一般選抜 47.88%
  • 学校推薦型選抜 35.94%
  • 総合型選抜 14.79%
  • その他 1.39%

学力検査偏重の一般選抜は、減少傾向にあり、2021年度に5割を切りました。

少子化を背景とする学生の奪い合いの時代の大学経営にそぐわないため、今後も減り続けることが予想されます(詳細は後述)。

グラフは、入学者選抜実施状況 – 文部科学省資料より、一般社団法人リアルエクスペリエンスが独自に作成したものです。

一般選抜の減少、および総合型選抜の増加が、トレンドとしてはっきり見て取れます。

一般選抜(テスト入試)は減少傾向。いずれ少数派となる公算が大きい

一般選抜による大学入学者の割合の推移グラフ(2020〜2023年度)
作成:一般社団法人リアルエクスペリエンス 出典:入学者選抜実施状況(文部科学省)※グラフは転載可。ハイパーリンク(当ページURL)の併記をお願いいたします

親世代の感覚では、大学受験と言えばテストによる入試でしたが、状況が大きく変わり、2021年度以降は、5割を切るまでになりました。

減少傾向は顕著であり、いずれ少数派となる公算です。

様々な要因がありますが、最も大きい理由は、大学入学者の選抜方法としては、あまりに問題が多い事実です。

大学の価値は「新たな価値を生み出したり、課題を解決できたりする人材を、いかに社会に送り込めるか」

大学の、社会における存在意義を考えると、「学力を伸ばす場ではない」という事実が見えてきます。

一部の学部・学科を除き、卒業後にすぐに社会に出ることになるわけですから、社会における即戦力の育成が役割ですし、社会の要請です。

具体的には、社会で新たな価値を生み出したり、課題を解決できたりする人材を、いかに社会に送り込めるか?が大学の価値と言えます。

各大学は、それぞれに得意分野や、人材育成における哲学があります。その環境を活かせる学生も、ある程度限られてきます。

大学側としては、大学の強みを理解し、成長の場としてうまく活用してくれる学生こそ、大学の価値を高めてくれる優良顧客であるわけです。

少子化を背景とする「学生の奪い合い」が迫っている

さらに、少子化により、1990年代には200万人前後だった18歳人口は、2041年度には80万人を切るという見通しがあります(出典:大学等進学者数に関するデータ 関係 – 文部科学省)。

私立大学を中心に、定員割れが多発し、学生の奪い合いとなる未来がすぐそこまで迫っているのです。

大学の価値向上、社会的評価の向上は、大学側にとって、生き残りを賭けた最大級の課題となっています。

「テストでどれだけ点が取れるか」しかわからない一般選抜の問題点

こうした背景を踏まえると、旧来的なテスト中心の大学受験(一般選抜)の問題点が見えてきます。

一般選抜では、「この学生はテストでこれだけの点が取れる学力を持っている」という判断材料しか得られないわけです。

医師、弁護士、官僚など、最高峰の学力水準が求められてしかるべき職業も、もちろん存在します。

しかしその他の多くの職業では、過剰な学力よりも、問われるべき資質が他にあるはずです。

また文部科学省としても、学力偏重の選抜からの脱却を長年の課題としています。古くは昭和中期からの取り組みが見られますが、大学側の協力がなく思うように進まなかった背景があります。

近年は状況が大きく進展し、すでに小学校、中学校、高校では、2022年度より観点別評価が導入され、テストの点数だけでは成績をつけなくなっています。

大学としてもこれに追随するべき理由がはっきと目の前にある状況となっています。

このように、大学入学者の選抜方法として問題が多すぎる「一般選抜」は、今後も減少を続けていく可能性が非常に高く、過渡期である現在を経て、いずれ少数派になると見られます。

学校推薦型選抜は横ばい(または微減)

学校推薦型選抜による大学入学者の割合の推移グラフ(2020〜2023年度)
作成:一般社団法人リアルエクスペリエンス 出典:入学者選抜実施状況(文部科学省)※グラフは転載可。ハイパーリンク(当ページURL)の併記をお願いいたします

一般選抜(テスト中心の入試)の減少により、まずその割合を伸ばした選抜方式が、推薦入試=学校推薦型選抜です。

この10年間(2013〜2023年度)で見ると、35〜40%程度の割合で推移しており、ほぼ横ばいと言えます。

ただし近年は微減を続けており、総合型選抜に食われる形で、ある程度までは減少する可能性があります。

総合型選抜は増加トレンド

総合型選抜による大学入学者の割合の推移グラフ(2020〜2023年度)
作成:一般社団法人リアルエクスペリエンス 出典:入学者選抜実施状況(文部科学省)※グラフは転載可。ハイパーリンク(当ページURL)の併記をお願いいたします

明確な増加トレンドとなっているのが、総合型選抜です。

総合型選抜は、AO入試から切り替わった2021年度に、前年比約20%の増加があり、以降も年9%程度の増加を続けています。

2023年度の総合型選抜での大学入学者数は92,393人。10年前(2013年度・当時はAO入試)の入学者数52,302人と比較すると、実に75%以上も増加しています。

学校推薦型選抜と総合型選抜は、選抜内容が似通っているケースも少なくありません。

しかしながら、総合型選抜のほうがより自由度が高く、大学の強みや教育哲学を前面に押し出した選抜が可能であることから、今後も増加トレンドが継続する可能性は高いでしょう。

総合型選抜、学校推薦型選抜(公募制)の入試形態としての特徴

登校する中学生

将来のキャリアイメージが必須

総合型選抜、学校推薦型選抜(公募制)を理解するためには、「小論文」「プレゼンテーション」など選抜方法に目を向ける前に、旧来のテスト入試(一般選抜)の何が問題だったか?を把握するとスムーズです。

大学は、社会で活躍できる人材の育成機関ですが、学力検査しかしない選抜方法では、「この学生はテストで◯点取れる」という事実しかわかりません。

これでは、その学生が、本当に大学の環境を活かして知識やスキルを習得し、社会で活躍できる人材に成長してくれるか、まったくわからないわけです。

よく、新入社員を語る際に、「頭はいいんだろうけど、仕事ではまったく役に立たない」という言い方がされる場合があります。

このような人材を多く排出する大学だというイメージが定着してしまえば、難関大学とは言われるでしょうが、社会での評価は高まりません。

18歳人口がどんどん減っていく中、大学間の競争で優位に立てなくなるリスクがあるわけです。

文部科学省(国)としても、グローバル化が進んでいる昨今、世界で通用する、有能な人材を生み出せる仕組みの構築が急務です。

学力検査偏重の一般選抜では、効率的・効果的ではないのは、言うまでもありません。

では、次世代の若者が、自分にとって最適な成長の場となりえる大学とうまくマッチングするためには、なにが必要なのでしょうか。

大きな手がかりとなるのが、将来のキャリアイメージです。

大学卒業後に、社会でこうした役割を担いたい、このような仕事につきたい、というイメージがあれば、知識やスキルを身につける成長の場としてどのような大学がふさわしいのか、検討することができるようになります。

マッチングがうまくいくように、大学側が発信しているのが、アドミッション・ポリシー(求める人物像)や、どのような成長ができるかの判断材料となるディプロマ・ポリシー(学位授与方針)です。

総合型選抜、学校推薦型選抜で、各種ポリシーが重要と言われる理由はここにあります。

むしろ、アドミッション・ポリシーやディプロマ・ポリシーがすべてと言っても過言ではありません。

「なぜその大学に入りたいのか?」説明できないなら志望大学を変えたほうがいい

総合型選抜や学校推薦型選抜(公募制)は、多種多様な大学が存在する中、

“自分がその大学の学生としてふさわしいと証明できるか” が問われる選抜方式

と言えます。

親世代では、「早稲田大学や慶應義塾に入りたい」など、ネームバリューでの大学選びが珍しくありませんでしたが、現代ではそれは通用しません。

早稲田大学と慶應義塾では、求める学生像も、そこでどのような成長ができるかも、まったく違います。

アドミッション・ポリシーやディプロマ・ポリシーを読み、

「将来、こういう仕事/活動がしたいから、自分にはこの大学・学部が最適だ」

と明確に説明できるかどうかが、志望大学選びのポイントになります。

なぜその大学に入りたいのかを、このようにリアリティのある形で説明できないようであれば、将来のキャリアイメージをもっと具体的にするか、志望大学を変える必要があります。

ここが曖昧なまま、誤魔化そうとすると、総合型選抜や学校推薦型選抜に失敗したり、合格できたとしても大学での経験を将来にうまく活かせなかったり、大きな問題となります。

将来に直結する無駄のなさが、最大の利点

将来のキャリアイメージからの逆算は、簡単ではありません。

特に、10代前半の早いうちに、将来をイメージしなければならない点は、非常に高いハードルと言えます。

中学受験をするなら10歳ごろ、公立中学へ進学した場合でも14歳・15歳で高校選びをしなければなりません。

(後述するとおり、総合型選抜等でアピールできる長所を伸ばし、実績を作るために、中学・高校の環境選びは非常に重要になります)

親世代は、とくかく勉強をして最も偏差値の高い大学に入り、キャリアは後から考えればいい、という風潮がありました。

実際、就職活動が始まってから、あるいは就職してから考え始めた、という方も少なくないはずです。

仮に高校生になってから総合型選抜等を考え始めたとしても、この時点で具体的なキャリアイメージが必要になるというのは、親世代の感覚からするとずいぶんと難しいことのように思えます。

時代に合わせて、考え方を根本から変える必要があるわけです。

一方で、メリットもあります。将来をイメージした上で、最適な進学先を選べるので、大学卒業後の将来に直結しやすいという点です。

次世代の若者の人生を考える上では、大きな利点のある選抜方式と言えます。

総合型選抜の対策の考え方

授業を受ける女子高生

総合型選抜は、選抜内容の自由度が高く、学校ごとに選抜方法が大きく異なる特徴があります。

そのため、対策の仕方も、大学・学部の数だけあるようなものであり、簡単ではありません。

代表的なものをいくつか挙げると、次の通りです。

◇書類審査の例

  • 共通テストや大学独自テスト
  • 調査書(高校での成績や、内外での活動実績)
  • 英検を始めとする検定、資格など
  • コンクール、コンテスト、全国大会等の実績

◇選抜方法の例

  • 志望理由書等のレポート作成
  • 小論文
  • プレゼンテーション
  • 面接や口頭試問
  • セミナー等に参加してのグループワークやレポート作成

高校の成績は必ず問われると思っておく

学力検査偏重の「一般選抜」の問題点は、ほぼテストの点数のみで選抜を行う点にあります。

テスト、学校の成績、学力で選抜を行うことそのものは、それが複数の判断基準のうちの一つであるのならば、悪いわけではありません。

そのため、総合型選抜でもテストが課せられるケースは多くあります。

また圧倒的大多数は、高校の成績が問われます。

桜美林大学 探究入試Spiralのように、実績があれば書類審査を免除し、面接のみで合否を決める、というケースもわずかながら存在します

すなわち、総合型選抜は、勉強をしなくてもいい(あるいは、成績が悪くても問題ない)というタイプの大学入試ではありません

ほとんどの場合、過剰な受験勉強までは必要ありませんが、高校の成績で言えば、評点オールB(3.5〜4.2)以上は目指しておきたいところです。

中には、評点が基準に達していなければ出願が認められない、あるいは書類審査で足切りされてしまうケースも考えられます。

このため、中学生の段階で高校を選ぶ際に、将来のキャリアイメージを具体的にしておきましょう。

高校で何をすべきか? 子ども自身が理解して、高校1年生からしっかり良い成績を取れるように、自分から取り組める形がベストです。

英検を始めとする民間検定や資格は、必要に応じて取得

たとえば、英語力が欠かせない内容を学ぶ大学・学部など、出願資格として「英検◯級の取得」等が条件となる場合があります。

総合型選抜をするなら英検を取っておいたほうがいい、というような話ではありません。

時間は限られていて、他に取り組むべきこともたくさんありますので、あくまでも必要に応じて取得を目指します。

ですので、遅くとも高校1年生の段階では、将来のキャリアイメージを具体的にし、志望大学・学部を絞り込んでおく必要があります。

必要な検定や資格があるのであれば、計画的に準備をして取得しましょう。

中学・高校で何をしてきたか?が問われる

総合型選抜は、将来のキャリアイメージが問われる選抜方式です。

たとえば、将来こういう仕事がしたいから、そのための知識・スキルを身につけるために、◯◯大学が最適であり、だからこそ入学させてほしい、とアピールする必要があります。

説得力を持たせるには、将来のために実際にこのような行動を起こしてきた、と明確に示す必要があります。

何も行動を起こしていないのであれば、口先だけだと思われても仕方がありません。

たとえば、野球の名門チームは、プロ野球選手になりたいと言いつつ何もトレーニングをしていない子の入団を認めないはずです。

大学も同じであり、「大学に入学できてから始めます」ではなく、「すでに中学・高校時代にこのような行動をし、実績を残しています」と胸を張って言えるかどうかが非常に重要です。

スポーツ推薦で部活動での実績が問われるように、学問系の学部であっても、関連するコンクール、コンテスト、全国大会での実績がアピールになります。

また、後述するレポート作成や小論文、プレゼンテーション、面接等では、基本的にこれまでの実績や、経験から得られた学びを表現することが求められます。

実績があれば、レポートに何を書こう、プレゼンテーションで何を伝えよう、と悩むことがなくなります。

やはり早期に将来のキャリアイメージを具体的にすることが重要です。

志望校を絞り込み、大学・学部の特徴や、選抜方法にあった実績が作れるよう、コンクール、コンテスト、全国大会等への参加を目指しましょう。

レポート作成、小論文は小手先のテクニックよりも、アドミッション・ポリシーを重視

レポート作成や小論文では、総合型選抜の性格を考えれば、「どう書くか」よりも「なにを書くか」が問われるケースが圧倒的大多数となります。

どんなに上手なレポートや論文が書けたとしても、筋違いな内容であれば評価されません。

総合型選抜は、

“自分がその大学の学生としてふさわしいと証明できるか” が問われる選抜方式

であると紹介しました。

つまり鍵となるのは、大学がどのような人物を求めているのかがわかる、アドミッション・ポリシーや、ディプロマ・ポリシーです。

一例として、法政大学キャリアデザイン学部「キャリア体験自己推薦」の事例を見てみましょう。

レポート(志望理由書)に求められるのは、次の要素です。

・キャリアの形成・再教育とその支援、生涯学習、生活文化への具体的な関心

・高校時代またはそれ以降に培った諸資格、文化・芸術・スポーツ活動、ボランティア活動、社会人としての活動経験等における実績の紹介

・入学に際しての抱負

出典:法政大学キャリアデザイン学部「キャリア体験自己推薦」志望理由書

「スポーツ活動」とあるからと言って、単に運動系部活動の実績を書いても、評価されないのは、言うまでもありません。

なぜなら、法政大学キャリアデザイン学部のアドミッションポリシーでは、次の通り示されているからです。

・入学後の修学に必要な基礎学力を有している
・現実の社会のあり方とその中での人々のキャリア形成に関心をもっており、学問的に考察を深める意欲をもっている
・多様な他者の価値観を尊重したうえで、多様な人々と主体的に関わり学びあう意欲をもっている

出典:法政大学キャリアデザイン学部 – アドミッションポリシー

読み取れるのは、キャリア形成について、実社会での現実の課題に目を向けられているか?ということが一つ。

そして、協働力やコミュニケーション力があると証明できるか?も重要だと考えられます。

こうして見てみると、法政大学キャリアデザイン学部「キャリア体験自己推薦」に出願できる生徒は、そもそもかなり限られるだろう、という事実がわかります。

高校3年間を振り返って、レポートに書けるような実績がないという場合もあり得るでしょう。一般選抜(テスト入試)に切り替えるか、志望大学・学部を変更する必要があります。

このように総合型選抜は、付け焼き刃での対策は難しいケースが多いのが特徴です。

一方で、高校3年間をかけて、学びを深め、実績を作れるように計画的に進めることができれば、合格の可能性をかなり高めることができます。

結果として、大学での数年間は実りあるものになり、将来に直結する可能性が高くなります。

プレゼンテーション・面接(口頭試問)はコツをつかみ、慣れることが第一

プレゼンテーション、面接、口頭試問などでも、問われるのは、大学・学部の特徴や、アドミッション・ポリシーに合致するかどうかです。

レポートや小論文と同じく、

将来こういう仕事がしたいから、そのための知識・スキルを身につけるために、◯◯大学が最適であり、だからこそ入学させてほしい

とアピールすることが正解となります。

スキル面では、プレゼンテーションはコツの習得が難しいという問題があります。

学校の授業内で発表をする機会があったとしても、プレゼンテーションのノウハウを教えられる教員はほとんどいません。

例えば、スライド資料をスクリーンに映して、ただ上から順番に読んでいくだけでは、それはプレゼンテーションとは言えません。

本来は、いかに聴衆を飽きさせず、興味を持ってもらい、「情報を伝える」「主張を理解してもらう」という目的を達成できるか、というテクニックです。

人は一度に3つ以上のことを覚えていられないから、すべてを伝えようとせず、本当に重要な内容だけを精査して話すなど、人間工学の観点も取り入れる必要があります。

また練習も重要です。ぶっつけで臨むのではなく、プレゼンテーションをする機会を見つけ、できれば聴衆の前でスピーチをする経験を積みましょう。

ノウハウを自学で学ぶ場合は、次の書籍がおすすめです。

学校推薦型選抜の対策の考え方

授業を受ける女子高生

学校推薦型選抜(推薦入試)には、大きく分けて次の3つがあります。

  1. 大学付属校からの内部進学
  2. 指定校推薦
  3. 公募制推薦

大学付属校からの内部進学の対策の考え方

たとえば、早稲田大学では、「早稲田大学高等学院・高等学院中学部」および「早稲田大学本庄高等学院」という2つの付属校があります。

原則として卒業生の全員が早稲田大学へ進学できる高校です。

ただし、実際には、評定平均や修得単位数の基準があり、到達できなければ進学はできません。

また、5つの系属校もあり、こちらは、学校ごとに設定された枠内で早稲田大学への進学ができます。

推薦枠よりも志望者のほうが多い場合、学校内での競争に勝つ必要があります。

このように、大学付属校からの内部進学では、学力が基準となるケースが非常に多くなります。

付属校であるがために、大学のアドミッション・ポリシーに則った教育が高校でも行なわれており、検査すべきは学力のみとなる場合が多いからだろうと推察されます。

内部進学は学校推薦型選抜の一種ではありますが、対策はシンプルに学校の成績向上につきます。

指定校推薦の対策の考え方

大学が、各高校に割り当てる推薦枠です。

選考は高校側が行います。校内選考に通りさえすれば、ほぼ合格できると言われます。

どの高校に、どれだけの推薦枠が割り振られるかは、大学側が独自の基準で決定しています。

一般に、大学進学実績が優秀であるなど偏差値の高い高校は、指定校推薦の枠も多くなる傾向があります。

推薦枠よりも志望者が多ければ、やはり学校内での競争に勝つ必要があります。

評定で差がつかない場合は、生徒会活動や実行委員会でのリーダーシップ、学校外活動なども加味して選考が行なわれます。

指定校推薦の枠が明らかになってから志望決定までの時間がかなり短い特徴があり、特別な対策をするというよりは、常日頃から学校の評定を上げる努力が必要です。

観点別評価の導入に伴い、評定は、テストの点数だけでは決まりません。

学びへの意欲、実技、発表など、様々な評価基準があり、対策は複雑化しています。

公募制推薦の対策の考え方

学校推薦型選抜のうち、公募制推薦は、出願基準を満たしてさえれば誰でも出願できる推薦制度です。

選抜の方法だけで見ると総合型選抜との差はあまりなく、公募制推薦は高校学校長の推薦が必要である、という点が根本的な違いとなります。

総合型選抜と同様に、調査書(高校での成績や、内外での活動実績)はもちろん、レポートや小論文など、様々な基準で選抜が行なわれます。

将来こういう仕事がしたいから、そのための知識・スキルを身につけるために、◯◯大学が最適であり、だからこそ入学させてほしい、とアピールできるように準備をします。

※レポートやプレゼン等の具体的な対策は、総合型選抜の項目で確認してください

総合型選抜よりも調査書が重視される場合が多くなると見られますので、学校の評定がより重要です。

テストはもちろん、授業態度、提出物、実技や発表など、総合的に良い成績を上げられるように、日常的な努力が必要になります。

すべてはキャリアイメージからの逆算です。将来のために今なにが必要なのかを具体的に考えられれば、子ども自身が自分で取り組めるようになるためです。

プレゼン対策も!「夢中になる力」を武器に、総合型選抜等に備えませんか?

10代前半向けリアル体験系スクール「フリーダム・アイランド」では、総合型選抜等で問われる、

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あらゆることを自分たちで決め活動する「石垣島7日間生活」や、世界自然遺産での野生動物探しなどアウトドアプログラムから、ビジネスでも通用するプレゼンスキルを楽しみながら学べる自由研究発表会まで。

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よりかね隊長

寄金 佳一。一般社団法人リアルエクスペリエンス代表理事。「フリーダム・アイランド」の隊長。予定は白紙で、すべてを自分たちで決めて活動する「パラダイスデー」「石垣島7日間生活」や、世界自然遺産での野生の生き物探しなど、大人気プログラムを企画・運営。2011年以降はフリーランスのWebメディア運営スペシャリストの一面も持ち、国内最大級(当時)のディズニーWebメディアを生み出した実績がある。

『fly away』は、10代前半向けリアル体験系スクール「フリーダム・アイランド」のオウンドメディアです。

運営:一般社団法人リアルエクスペリエンス